2010年06月30日
日本×パラグアイ
他国開催のワールドカップでベスト16。
カメルーンに勝ち、デンマークを下し、パラグアイに延長までやって
0-0。PKで負けたとはいえ、日本サッカー史に残る大善戦でした。
常日頃ブラジル、アルゼンチンとバチバチやってる南米の強豪の
強さはダテじゃなかったですね。
日本の守備的戦術をワケのわからないオレ様美学で批判している
阿呆なスポーツライターも散見されましたが、この少々退屈では
ありますが手堅いリアリズム・フットボールは、この大会、
ヨーロッパや南米の強豪国にも多く見られました。
「たとえ負けても美しいフットボール」を志向し続けたオランダ、
ファンタジーの宝庫ブラジル、ともに今大会はその国是を捨て、
「堅く勝つ」リアリズムを追求し、かつ圧倒的強さを見せている
一方、華やかなプレイが売り物の欧州強豪であるフランス、
イタリア、イングランドが早々に敗退しているのは象徴的です。
「ファンタジスタの時代の終焉」という人もいますが、確かに
そうかも知れません。ドイツ大会が「ミドルシュートのWC」で
あったように、この南ア大会は「リアリズムのWC」なのかもしれ
ません。
日本の若き代表選手たちは、誰に言われるでもなく(おそらく
岡田監督すら言っていないのではないでしょうか。妄想ですが)
この潮流を肌で敏感に感じ取り、開幕とともに本能でものにして
勝ち進んだのです。これはデンマークに勝ったことそのものより
はるかに大きな収獲だったのではないでしょうか(今の日本に他に
選択できる有効な戦略がなかったというのも事実ですが)。
少なくとも、バルセロナのようでなかったから醜い、負けろなどと
書いたライターの歪んだ美学より、よほど美しい果実でありました。
お疲れさまでした、日本代表。