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『つぼみ Vol.2』


前作は一時はアマゾンでも在庫払底するヒットだった大ボリュームの 百合マンガアンソロ第二弾。 巻頭は吉富昭仁のロリィなプチエロ百合。吉富センセは巻末と 2本立ての大活躍ですが、個人的にはピンと来ず。 宇河弘樹『コブリアワセ』は前編を読んで期待大きすぎました。 なんかオチ読んでガックリ肩すかし。トコトン純文学の世界を 突き詰めて欲しかったなあ。 関谷あさみ『∞遠点』は、離婚して実家に戻ってきた完璧超人の 姉と、不登校気味のダメ妹のせつない純愛を描く長めの一遍。 妹のコテコテ関西弁がいいアクセントになっていますが、作者は 関西の人ではないとのこと。 きづきあきら+サトウナンキ『ホテイさんとエビスさん』第2話。 例によって陰険なOLワールドの中で、徐々に距離を縮めていく ホテイとエビスだが、さらに波乱を呼ぶ幕切れで3話に続く… のか? 小川ひだり『愛の研究』はプチエロ担当。パンチラいっぱい。 宮内由香『胸の炎』は、ともに成人女子、ノンケとガチの哀しい 片思いを生々しい情念描写たっぷりに。重い。この人は『LO』でも ロリコン心理を変わった視座から、しかし深く描く独特の感性の 持ち主。かつ絵がとても達者なひと。 裏次郎『つんぺろ』は、犬好き過ぎ少女とマジメっ娘委員長の おかしな友情を描くコメディ。筋立てはともかく、躍動感のある 画風は好きです。獣化萌え属性のある人なら。 大朋めがね『ピンク色』は演劇部を舞台に、実らない片思いの 三角関係。ちと淡泊すぎのような… 天乃タカ『つばきごと』は、女植木職人と椿の精の悲恋を伝奇的に。 途中で力尽きたのか、作画がどんどん荒くなる。お話もアレ。 前回傑作を仕上げた水谷フーカ『オオカミの憂鬱』は、女の子 大好きで、狙った娘は必ず落とす美人エレベーターガールが、 自分にまったくなびかないゴスロリ美少女に翻弄される。やや リアリティに欠ける展開ですが、この人のほんわかしたコメディ センスは大好きです。 森永みるく御大は前回の続編ですが、今回はお色気サービスは ありません。無念。 シメはこれまた百合の大御所・玄鉄絢の中編『星川銀座四丁目』。 美人教師とひきこもり少女。先生は少女を愛するあまり、養女と して自分の籍に入れようとしているらしい…という基本設定が もひとつ伝わりにくく、感情移入しにくい。ベラボーに絵は上手い 人なんだけど、この人のマンガにはいつもこういう隔靴掻痒感が あり、好きになれない要因です。 続編ものはどれも期待はずれのものが多く、ご新規さんは他の 百合アンソロでもよく見る湿った叙情性を押し出したものが 多い印象です。前作のような新鮮さがなかったのは残念でした。 水谷フーカが載ってる限り次回も買いますが( ̄▽ ̄)

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