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『ランド・オブ・ザ・デッド』@スタチャ


思ったより面白かったなあ『ランド・オブ・ザ・デッド』。 さすがゾンビ映画のオリジネイターロメロ先生というか。 少なくとも最近作られたゾンビ映画の中ではいちばんマトモ。 ああやっぱりロメロは60'sスピリットの人なんだなあ。 だってあの階級社会観。金持ちジジイの作った世界なんか 俺たちがぶっ壊しちゃおうぜ、というアナーキーな60-70's のタマシイを、この21世紀に直球でぶつけてくるんだよ。 金持ちだけみんな食われちゃうんだもん。好きだなあ。 進化したゾンビ(目覚めた、というべきか)のリーダーが 黒人のガソリンスタンドのオヤジだなんてのはモロ過ぎて ちょっと気恥ずかしいくらいだし。「いつかは上流階級に!」 というケチな野心を踏みにじられ、シティの崩壊を引き起こす 小悪党チョロ(ジョン・レグイザモ)の哀しい末路なんか、 モロにアメリカンニューシネマか東映アクションの世界じゃん! 川谷拓三っぽいよなんか。デニス・ホッパーは金子信雄か。 まあそれだけに、主人公がいささか殺伐さに欠ける甘ったるい 二枚目だったり、こいつが花火を打ち上げながら陽気に旅立って いくエンディングにはどうにも閉口させられたけれども。 やっぱゾンビ映画の終幕ってのは、「今日は助かった。でも 明日生き延びられるかはわからない」という切ない虚無感が 漂ってないとね。

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